心が疲れてしまう原因とは
自分の時間がない
家事に費やす時間が長く、自分の時間がない人ほど心身が疲れている⁉︎
株式会社メディプラス研究所が男女各7万人(計14万人)にアンケートを行ったところ、ストレス性疲労(個々人のキャパシティを超えて起こる心身の疲労状態)がある女性は、ストレス性疲労がない女性に比べて、家事に2時間以上費やしている人の割合が多いということがわかったそう。
特に休日はその差が顕著なようで、「ストレス性疲労なし」女性の休日の家事時間は「1~2時間」の33.5%をピークに減少していき「3時間以上」では約15%にまで減りますが、「ストレス性疲労あり」女性は「1~2時間」29.7%、「2~3時間」26.1%、「3時間以上」21.3%と、どの時間でも2~3割を保っているのだそうです。
さらに休日の家事時間「3時間以上」だった「ストレス性疲労あり」女性(21.3%)の4割強が平日休日ともに「趣味時間」に費やす時間は「ほとんどない」と回答。
美容や健康に関する「セルフケア時間」も、「5分以下」という人が4割に上がったのだそうです。「ストレス性疲労」にさいなまれる女性たちは、家事に長時間費やす一方、自分のために使う時間がないという傾向があると読み取れます。
朝食を抜いている
さらに株式会社メディプラス研究所が行った調査によると、心の疲労がある人は、平日の朝食を抜いている傾向がある、ということがわかりました。朝ごはんは大切だということはよく言われていますが、精神的疲労にまで影響しているようです。
時間がなくて朝ごはんを抜いてしまう、という人も多いかもしれませんが、まずは朝食を摂ることでが、日々の心の疲れを改善する近道になるかもしれません。
不定愁訴
管理栄養士・アンチエイジング料理スペシャリストの堀知佐子さんによると、よく原因のわからない体の不調を不定愁訴と言い、これが疲労感やイライラなどの原因になっている可能性が大きいのだそう。
生活や仕事に追われて忙しすぎたり、自分に余裕がなかったりすることで、こういった不調が起こっているのかもしれないとのこと。まずは自分をいたわってあげることで、心の疲労感が軽減するのかもしれませんね。
完璧主義
例えば家事。完璧にこなさなければいけないと思うあまり、疲れてしまってやる気が一切出なくなることはありませんか?キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさん曰く、「手を抜いたり手放したりすることも大切」。
「あなたにとって家事はどのような位置づけでしょうか?やらなければいけない優先度の高い事項でしょうか?家事といってもその範囲は広いですが、外注することや家電に頼ることもできますし、手を抜くことだってできます。仕事に疲れて家事にやる気が起きないのならば、自分にとって何が大切なのかを一度整理してみるのはいかがでしょうか?
私はかつて、女性は家事を完璧にこなさなければならないと思い、仕事で疲れた体に鞭打って、寝る直前までイライラしながら家事をこなしていた頃もあります。
私にとって家族が笑顔でいることが大切でしたので、家電に頼り、できないことはできない、少しは目をつむる。ひとつずつ手を抜き、手放すことを覚えたら、自分に余裕ができ、家族の笑顔を感じることができるようになりました」(岩橋さん)
精神的に疲れているときのサイン
休みの日も仕事のことを考えている
休みの日なのに仕事のことばかり考えていませんか?
通常、休日は「買い物に行こうかな」「家族とドライブに出掛けよう」「ゆっくり映画でもみよう」などと考えるもの。休日まで仕事のことで頭がいっぱいとなれば、それは仕事中毒になっている証拠かもしれません。
放置してしまうと自律神経失調症やうつ病、頭痛、めまい等の症状が現れてくる恐れがあります。一度リラックスして、自分を見つめ直す時間を作ってみては。
眠れない・起きられない
快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんによると、眠れない原因には環境の問題や体の問題といった理由が考えられるそうですが、心の問題も眠れない理由のひとつだそう。
何か心配事や不安、悩みがあるとなかなか寝付けず、朝もすっきり起きられないもの。睡眠不足が重なると体だけでなく心も不調になりやすいと言われています。
こうした症状が続く場合は、早めの対処が必要かもしれません。
ミスが多くなる
いつもやっているルーティンワークを忘れた、集中力がなぜか続かない…など、自分らしくないミスや行動が増えたときは、心が疲れているサインかもしれません。
肉体的な疲れはさほど感じていなくても、心が疲れていると人はミスを起こしたり集中力が欠けたりしてしまうものです。
一人になりたいと思うことが増える
最近「一人になりたい…」と口癖のように呟いていませんか?何か嫌なことがあるたび、心の中にこのフレーズが浮かんできませんか?
もしかしたら人付き合いに対し、負担を感じているのかもしれません。そう感じている自覚がなくても、愛想笑いをしたり、興味のない話に無理に反応したりするのは、精神を疲弊させる原因になっている可能性が大きいです。
心が疲れているときに試したい対処法
自分の内なる声に耳を傾ける
会社経営者・中安加織さんは、知人に紹介されたグラフィック・コーチングを受けて、義務感や疲労感からくるモチベーションの低下を、ポジティブな行動へとうまく変換していると言います。
「忙しい毎日の中、17時までに子供を迎えに行かなければいけない…今日中にこれを終わらせなければいけない…など、いつしか“○○しなければいけない”で頭がいっぱいになっていませんか? これが義務感や疲労感、モチベーションの低下の原因でもあります。
そこから抜け出しモチベーションを高めるには、まず未来を思い描くこと!『どういう状態になったら素晴らしいか?』『こんな未来が待っていたらワクワクする!』…こうなったらいいなと心が踊る未来を、できるできないに関係なく自由な発想で思い描いてみる。もしなかなか思い浮かばないという場合は、オノマトペを使ったワークがオススメです。オノマトペとは、擬音語や擬声語のこと。ワクワクやドキドキなど、自分の心が反応するオノマトペを3つピックアップしてみて、そこからイメージできる言葉を自由にドンドン書き出してみる。実際にやってみると、それだけでも楽しくなってくると思います。
次に、書き出してみたものを見ながら『なぜ私はそんな未来を思い描いたんだろう?』『過去の自分のどんな体験がそう思わせたんだろう?』と自分の過去を振り返ってみる。すると、過去のあの出来事がそう思わせているんだ。あの人のあの言葉が響いてそう思うようになったんだ。そんな過去と未来をつなぐ糸が見えてくるはずです。
そこにはあなたが“働く意味“が隠れています。その上で、『何をしたら思い描いた未来が実現するのか?』『仕事を通してどんなことができるのか?』という現在に目を向けてみる。日々のやらなければいけないことだけに目を向けるのではなく、未来→過去→現在と視点を変えて仕事と向き合ってみる。すると、同じ日々の出来事が全く異なる捉え方に変わり、ポジティブな行動へとモチベーションを高めてくれるはずです!」(中安さん)