他人と比較してしまう
他人と比較することでしか自分を評価できないのも、原因の一つです。どんなときでも他人と比較してしまう人は、人が決めた価値基準に振り回されてしまいがち。
仕事をミスなく終えたときに「でも、あの人の方が成績がよい」と思って自信をなくす必要はないはずです。「上を見ればきりがない」という言葉があるように、常に優秀な人と比べて自分へのダメ出しをしていれば、自分が嫌いになってしまう原因にもなり得ます。
他人の軸を中心に考えたり評価したりするのではなく、自分軸で見て評価する癖をつけることが大切です。
自己肯定感が低い傾向にある
自己肯定感は、自分の存在を肯定し受け入れられるという感覚のこと。一般的に自分に嫌悪感を抱きやすい人は、自己肯定感が低い傾向にあります。
自己肯定感が高い人は周囲から非難されたとしても、必要以上に落ち込みません。「自分は自分、他人は他人」という考えを持っているので、他人の考え方や評価が全てだとは思わないのです。
自己肯定感が低いと否定的な気持ちになりやすく、少しの非難や叱責に対して過度に反応し、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまいます。「周囲から認められていない」という気持ちが強く、褒められたとしても素直に受け取れないことも珍しくありません。
過去のトラウマが関係している場合も
過去に大きな失敗や人間関係のトラブル、努力したのに報われなかったなどのトラウマがあると、その経験を引きずってしまいがちです。
同じようなことに遭遇したときや、似たような失敗を繰り返した場合に、自分が嫌いだと感じてしまう可能性があります。物事が順調に進んでいても「また失敗するかもしれない」と考えて、怖気づいてしまうことも少なくありません。
中には、過去を乗り越えられない自分の弱さを受け入れられないことが、自分を嫌う原因になっている人もいます。
「自分が嫌い」と思ったときの対処法
自分が嫌いになっても、考え方次第で十分に軌道修正できます。自分が嫌いという気持ちは思い込みである場合が多く、視点を変えるだけで解決の糸口が見えてくることも珍しくありません。どのような対処法があるのか解説します。
ありのままの自分を受け入れる
人間関係がうまく築けない自分が嫌だと思っている人は、他人と自分を比べるのをやめ、ありのままの自分を受け入れることが大切です。
ありのままの自分というのは、マイナスの感情なども含めた本来の自分の姿です。「〇〇な自分が嫌い」と思っている自分を否定せずに、「そういう面もある」と受け入れてみましょう。
常に本心を隠しているよりも、自分らしく生きた方が楽でもあり、またそのような人に魅力を感じる人は少なくありません。自然体でいるだけで人間関係がスムーズになることもあります。
また、他人ではなく過去の自分と比較して、よいところや成長した部分を見つけることも自信につながります。成長していない部分に対しては、まだまだ伸び代があると評価することを心掛けましょう。
小さな成功体験を重ねる
努力できない自分が嫌だと思っている人は、目標が高すぎて途中で挫折してしまっている可能性があります。達成しやすい目標を立て、成功体験を重ねていくと、自信が付いて理想に近づきやすくなるでしょう。
例えば、独学で何か資格を取得しようと考えたとき、「資格を取得すること」をゴールに設定する人が大半ですが、最初から高すぎる目標を立てると、何も成功しないままで終わってしまう場合があります。
勉強開始から資格取得までの間に、いくつかの小さな目標を立てていくと、大きな目標を成し遂げやすくなるものです。「参考書を買う」「ページを開く」「1ページ目を読む」というように、簡単にできることから始めてステップアップしていくのが賢明です。
完璧を求めず前に進もう
まずは、世の中に完璧な人など存在しないことを認めてみましょう。「誰でも多少の失敗をして当たり前なのだから、やり直せば大丈夫」という気持ちをもつことが重要です。
世の中の偉人や成功者の経歴を調べてみると、何度も失敗して改善を繰り返した結果、ようやく周囲に認められるようになったという人は数えきれないほど存在します。
たとえ仕事で失敗したとしても、自分を嫌いになる必要はなく、次に向けて気持ちを切り替えることが大切です。ミスを指摘されたときは、改善する機会を与えてもらったと考えれば気持ちが楽になります。
信頼できる人に話を聞いてもらう
人は自分の中にあるモヤモヤを話すと、根本的な問題解決はできなくても気持ちがスッキリすることもあります。心を許せる家族・友人・同僚などに、現状を話してみるのもいいかもしれません。
似たような悩みを抱えている人は案外多いもの。自信がありそうに見える人でも、常に自分が好きという気持ちでいるわけではありません。
周囲に信頼できる人がいない場合は、カウンセラーなどを頼るのもよいでしょう。問題解決のプロでもあるので、よりスッキリした気持ちになれることも。
「自分が嫌い」と思う前にできること
自分が嫌いという気持ちが強くなったとき、そのまま頑張り続けていると仕事のパフォーマンスが下がるだけでなく、根が深い悩みに発展してしまいかねません。自分が嫌いと思う前に、できることをやってみるのもいいかもしれません。
休暇をとってゆっくり過ごす
仕事や人間関係がうまくいかないなどの悩みがあるときは、自分を嫌いになる前に休暇をとって心身を休めるのがおすすめです。しっかり休むと気分転換でき、マイナス思考の負のスパイラルから逃れやすくなります。
休むことに罪悪感がある人は「休めるときに休むことも仕事の一部」だと考えてみるのも得策。休暇は悪いことではなく、心身のメンテナンスに必要なのです。
休暇をとらずに無理を続けて、中途半端な状態で誰かにバトンを渡す方がよくないと考えれば、納得できるのではないでしょうか。
休んでいる時間は、明日からまた全力で頑張るための充電期間だと考え、心身ともにしっかりとリフレッシュさせることが重要です。
外出する気力が湧いてこないときや、仕事をすること自体がつらい状態になってしまったときに無理をして出社すると、心身に大きなダメージを与えかねません。不調を感じているときは、ダメージが大きくなる前に休暇をとることを心がけて。
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