【朝・夜】正しいスキンケアのやり方
1. 肌を清潔にする「落とすケア」
夜のクレンジングは、スキンケアでもっとも重要です。きちんとメイクが落としきれていなければ、残ったメイクが酸化して黒ずみや色素沈着を引き起こし、くすみの原因になります。中でも肌への負担が少なくしっかり落とすには、こっくりしたテクスチャのクリームタイプや、オイルのように肌にじわっと密着するバームタイプがおすすめです。
正しいクレンジングのやり方
まずは、ポイントメイクをリムーバーで落としていきます。その際、こすらないようにリムーバーをたっぷりコットンに付け、じっくりなじませたあとに優しくなでるようにアイメイクやマスカラを落としましょう。
続いて、クレンジングをたっぷりと手に取ります。優しいタッチでマッサージするように顔になじませ、しっかりとメイクを落としていきましょう。まずは、頬やTゾーンといった顔の広い部分に広げていきます。そして、小鼻や口回りもきれいに落としていきましょう。肌に負担がかかるので、強くこすってはいけません。
洗い流す際には、ぬるま湯か水で流しましょう。熱めのお湯を使うと肌の必要な油分まで洗い流してしまいます。ひとすくいしたぬるま湯とメイク落としをなじませ乳化させる手間も忘れないようにします。
必ずその日のうちに、正しい方法で化粧を落とすことで肌の調子も良くなります。次の日の化粧のノリも変わります。
正しい洗顔方法
どんなに優秀な洗顔料も洗顔方法が間違っていれば、その効果は発揮できません。「汚れが落ちさえすればいい」と軽い気持ちで洗顔を続けていると、しらずしらずのうちに肌に負担をかけることになります。
■まずは手を清潔に
顔を触る前に、まずは手を洗いましょう。目には見えませんが、手には雑菌や汚れ、油分などが付着しています。そのまま洗顔料を手にとれば泡立ちが悪くなるうえ、顔にも汚れが広がってしまいます。手をきれいに洗った後は「予洗い」を行いましょう。予洗いとはぬるま湯で顔を軽く洗い、汗やホコリを落とすことです。
ぬるま湯で顔を温めると毛穴が開き、中の汚れが落ちやすくなります。洗顔料のなじみがよくなり、洗浄力が高まるのもメリットです。ただし、温度が高すぎると肌に必要な皮脂まで落としてしまいます。冷たい水での予洗いも汚れた毛穴が収縮してしまうためNGです。
■強くこすらずやさしく洗う
固形石けんや洗顔フォームの場合は、洗顔料に水を少しずつ加えながら、キメの細かい泡をつくりましょう。泡立ちが不十分な状態での洗顔は、汚れがきちんと落とせないだけでなく、肌にも負担がかかります。泡はほどよい弾力があり、手を逆さにしても落ちない程度が目安です。
洗顔時は、鼻周りや額などの「皮量が多い部分」から先に洗うのがポイントです。目元や口元などのデリケートで乾燥しやすい部分は、刺激を与えないようにやさしく指を動かします。すすぎのときは、シャワーを直接顔に当てるのは禁物です。手のひらに流水を溜めながら、ぬるま湯でなでるように洗い流しましょう。
2. 基本のスキンケアの順番
■朝は日中用アイテムを使って
朝はこれから受けるダメージを防ぐこと、夜は1日の汚れを落としうるおいを保つことがスキンケアの目的。朝と夜とではスキンケアを変える必要があります。まず朝は夜の間に溜まった皮脂を洗い流し、失ったうるおいを補給し、紫外線などこれから受ける外的環境対策をしていきましょう。
基本的な朝スキンケアの順番
洗顔
↓
化粧水
↓
乳液
↓
UVケア
■夜は乾燥から守る油分を補給
夜のスキンケアは寝ている間に失われる水分を最小限に抑えるため、クリームなどの油分を与えてあげる必要があります。また、メイクをした場合はスキンケアの最初にクレンジングを。
基本的な夜スキンケアの順番
クレンジング
↓
洗顔
↓
化粧水
↓
乳液
↓
クリーム
3. 「美容液やパック」はいつ使う?
■スペシャルケアは化粧水と乳液の間に
基本のスキンケアの順番は上記で述べたとおり。では、美容液やパックはどの段階にプラスするのが正解?答えは「化粧水と乳液の間」です。
スペシャルケアをするときのスキンケアの順番
クレンジング
↓
洗顔
↓
化粧水
↓
パック(重めのパックの場合は、美容液と順番を逆にしても)
↓
美容液
↓
乳液
↓
朝夜に適したケア
4. 「アイクリーム」はどのタイミングで使う?
アイクリームは普段のスキンケアにプラスするだけですが、基本的には乳液の後に使います。まず、洗顔して肌の汚れや皮脂をきれいに落とし、化粧水で肌に潤いを与えます。それぞれの悩みに合う美容液を浸透させ、乳液でふたをします。最後にアイクリームを塗りましょう。ただし、製品によっては順番が異なることもあるため、パッケージの記載や説明書を確認するのがおすすめです。
5. 「オールインワンアイテム」を使うコツ
オールインワンゲルは、入浴や洗顔の直後に使います。特に入浴の後は肌が温まっており、浸透しやすい状態です。このためお風呂から上がったら、できるだけ早めにつけるのが効果を引き出すポイントです。朝の洗顔後も、肌が乾く前にオールインワンゲルを使います。ただしつけてすぐにメイクをすると、ゲルの成分が肌表面に残っていて、ファンデーションがうまく塗れない可能性があります。肌にしっかりとなじんでからメイクを開始できるように、ゲルの状態を気にしつつメイクをするようにしましょう。
乾燥している部分は重ねづけを
つける量を調整できるのも、オールインワンゲルのよいところです。口の周りや頬、目元などのうるおいが不足しがちな部分には多めにつけたり、2~3回重ねづけをして保湿を。メイクの上から使えるタイプもあるので、持ち歩いて乾燥が気になる度につけなおすのもおすすめです。
【肌質別】おすすめのスキンケア方法
「乾燥肌」スキンケアのポイント
美容評論家・ジャーナリストの天野佳代子さんに、スキンケアのポイントをお聞きしました!
クレンジングはクリームタイプを。38度のぬるま湯で
「私のおすすめはクリームタイプのクレンジングで、規定量よりも少し多めの量を使い、顔全体にゆったりとやさしくなじませてからぬるま湯ですすぎます。高価なものでなくてもいいので量をケチらずたっぷり使うことがポイントです。その後、肌に残ったクレンジングの油分を洗顔料で落とします。クレンジングと洗顔は入浴時でも構いませんが、38℃くらいのぬるま湯ですすぎましょう。それ以上の湯温では肌が乾燥しやすくなります」(天野さん)
肌代謝が良くなる炭酸洗顔料や角質ケア美容液を投入
▲ソフィーナiP リニュー ムース ウォッシュ 200g 3,630円(税込/編集部調べ)
「花王の炭酸技術について以前、研究所で取材をしましたが本当に素晴らしい!汚れを落とすだけではなく、血行もアップしてくれる。すると代謝がよくなるので肌が持っている潤う力も上がります。くすみや乾燥に悩まされがちな40代はぜひ使ってみてください」(天野さん)
▲タカミ タカミスキンピール 30ml 5,500円(税込)
「肌が薄い、肌が弱いという人でも使えるのがこちら。水のように刺激のない化粧液です。なじませてから3分待ってから化粧水や美容液をつけます。この“3分待つ”というのがしっかり効果を感じるための大事なポイント」(天野さん)
【朝】乾燥が特にひどいときは乳液サンドイッチでうるおいケア
「特に乾燥しやすい冬は、洗顔後の肌に、まず乳液をなじませてから化粧水、そしてもう一度乳液という“乳液サンドイッチ”がおすすめです。1回目の乳液は規定量の半分くらいで構いません。肌がふくふくと柔らかい状態になり、化粧水の浸透がよくなります。2回目の乳液はうるおいの蓋をする役割。この時の乳液の量は肌状態に合わせて加減しましょう。乳液サンドイッチをすると冬でも乾燥しにくくなります」(天野さん)
▲(右から)B.A ローション 120ml、B.A ミルク 80ml 各22,000円(税込)
「化粧水はみずみずしくてスッとなじむ感触なのに、とても濃密なうるおいで満たれた感じに。乳液もなじみがよく、ふくふくとした柔らかな肌にしてくれます」(天野さん)
【夜】コクのあるクリームでケア
▲コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアクリーム 50g 11,000円(税込)
「夜の洗顔後はこれだけでも十分と思えるほどのスキンケア効果で、寝ている間に美容成分がじっくり入っていくので翌朝は熟睡した後のようなツヤ肌に。コクのある感触ですが浸透がとてもよく、クリームが苦手という人にこそ使ってほしい!」(天野さん)
「脂性肌」スキンケアのポイント
ビタミンCは脂性肌の人に推奨されている成分として知られています。美容成分の金メダリストと言っても過言でないほどのパワーを秘めています。過剰な皮脂分泌を抑えながら毛穴を引き締め、ニキビ菌による活性酸素を除去する働きもあるので、炎症が悪化するのも防ぐことができます。さらには透明感・弾力アップ、キメを整える効果も。洗顔でしっかりと肌汚れを落とした後はビタミンCコスメを使用、その後十分に保湿をすることがおすすめされています。
おすすめアイテム
▲ドクターシーラボ VC100エッセンスローションEX 150ml 5,170円(税込)
ビタミンCを高濃度で配合。肌への刺激がなく、浸透力を高めたコラーゲンなどエイジングケア成分もたっぷり配合。
▲(右)オバジC25セラム ネオ 12ml 11,000円(税込)
ピュアビタミンCを限界濃度で配合。キメ・シミ・毛穴・ハリ・肝斑・シワにもアプローチ。
(左)アンティポディース グロウ リチュアル Cセラム 30ml 6,380円(税込)
オレンジの100倍ものビタミンC、さらにポリフェノールを含有するスーパーフルーツのエキスを使用した美容液。
「混合肌」スキンケアのポイント
混合肌さんは基本的にはベタつきにくい保湿成分配合の化粧品を選んであげましょう。一般的には以下のような成分が高保湿成分と言われています。
・セラミド
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・スクワラン
・グリセリン
…etc
これではベタついてしまうという方は、以下の保湿成分に注目してみましょう。
・BG
・DPG
・プロパンジオール
また、脂性肌の傾向が強い人は、収れん成分配合の化粧品を試してみましょう。
・酸化亜鉛
・クエン酸
・コハク酸
・タンニン酸
・アロエ
・エタノール
…etc
これらの成分を配合したものが推奨されています。整肌成分としてビタミンC誘導体やグリチルリチン酸ジカリウムもおすすめです。
おすすめアイテム
▲(左)エリクシール ホワイト トーニングローション[医薬部外品]165ml 4,400円(税込)
皮脂吸着パウダー入りで清涼感のある化粧水。ベタつきやメイク崩れの先回りケアに最適です。美白成分やハリ成分なども配合され、明るくふっくらした肌をキープできます。
(右)コスメデコルテ リフトディメンション クラリファイング トーニングローション 200ml 7,150円(税込)
朝のメイク前に使うと、ベタつきが気にならない涼しげ肌を夕方までキープ。ハリや弾力のための成分も配合し、肌をキュッと引き締めます。
▲アクセーヌ モイストバランスローション 360ml 6,050円(税込)
水分不足で揺らぎが気になる肌におすすめの、低刺激性化粧水。みずみずしい感触ながらしっとりと肌を潤し、ふっくら潤いで満たしてくれる。たっぷりのセラミドが肌の土台を整えて、揺らぎにくい肌を目指す。
「敏感肌」スキンケアのポイント
皮膚科医の松浦佳奈先生に、敏感肌向けのスキンケアアイテムを伺いました。
ダブル洗顔不要の摩擦が起こりにくいクレンジング剤を
「短時間でしっかり洗浄ができること、摩擦を少なくすることがクレンジングや洗顔の基本です。洗浄力がいちばん高いのはオイルクレンジングですが、たっぷりの量を使って短時間で洗浄するのがコツ。少ない量でゴシゴシすると、摩擦が起きてしまいますから。ただ、ニキビができている人はオイルは避けてください。オイルがおすすめと言うわけではなく、手早くしっかり、でも肌の潤いを残すものを選ぶことが大事です。
私がおすすめするのは、クリニックのJCクレンジングウォーター。手前味噌ですがこれは大好きで、かなりリピートしています。しっかりメイクをしていて皮膚が薄い目元は、ポイント用リムーバーで別にオフするほうが色素沈着せずくすみません。その後、クレンジングウォーターでメイクをオフ。界面活性剤は入っておらず、海藻のエキスなどで化粧成分を浮き上がらせます。保湿成分も配合してつっぱることなく、クリニックでレーザーなどの施術した人でも使っていただける優しい洗い上がりです。ダブル洗顔の必要がなく、まつげエクステをしていても使えるんですよ」(松浦先生)
▲自由が丘クリニック ドクターズコスメティクス JCクレンジングウォーター 200ml 3,960円(税込)
刺激が少ない敏感肌用の化粧水を使用する
「保湿が美肌の命です! 保湿マニアの私がイチオシなのは、dプログラムのローション。敏感肌に最適な低刺激性で、ドラッグストアで手軽の買えるのもうれしいですね。余談ですが、例えば大容量のシートパックって、指で1枚ずつ取るじゃないですか。なので雑菌が繁殖しやすく、それを防止するために防腐剤が入っていることもあるんです。それが肌荒れにつながる場合があるため、シートパックの使い方も見直した方がいいかもしれません」(松浦先生)
▲資生堂インターナショナル dプログラム ホワイトニングクリア ローション MB [医薬部外品] 125ml 4,290円(税込)
最後は肌を鎮静しながら乾燥からしっかり守ってくれるクリームを
「水分を肌内部に閉じ込めるため、保湿した後は、きちんとコーティングしないといけません。私はキュレルのクリームを愛用しています。これは、肌の角質の細胞間脂質を構成しているセラミドが入っているので、保湿もできて肌のバリア機能が回復するためのサポートもしてくれるんです。ニキビの上からクリームで大丈夫?と思う人もいると思いますが、ニキビ部分はむしろ乾燥しているので乳液やクリームを使うようにしてください。ワセリンのように油分がたっぷり入っているわけではないですし、サラッとしたテクスチャーです。夏は冷やしてパックするのもおすすめです」(松浦先生)
▲花王 キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム [医薬部外品] 40g 2,530円(税込/編集部調べ)
スキンケア効果を上げる「つけ方」
肌の潤いやツヤが長続きしない、どの化粧品を使っても満足できないという人は、スキンケアのつけ方を一度見直してみませんか? 意外かもしれませんが、「スキンケアはつけ方がとても大切」と美容家の水井真理子さんは言います。
肌が音で知らせる“浸透のサイン”
「スキンケアはひとつひとつ浸透させて使うことが大切で、それができれば潤いやツヤはもちろんのこと、透明感や肌のやわらかさまで高まります。最近のスキンケアは昔に比べて浸透がよくなっていますが、それでも手のひらの圧を使ってグッグッと入れ込むプッシングが大切です。浸透したことを見極めるポイントは“肌の音”です。浸透しきってないときはぴちゃぴちゃと水っぽい音がしますが、浸透するとシュワッシュワッと少し乾いた音に変わります。この音を確認してから次のスキンケアをつけましょう。化粧水は浸透までに少し時間がかかるので、軽くプッシングしたら浸透までの合間に家事をしても構いません。ただし、化粧水の湿り気が完全に乾く前にスキンケアに戻りましょう。次のスキンケアをつける前にもう一度プッシングして、肌表面に残っている化粧水を余さず入れ込むことも重要です」
プッシングは“頰の内側→頰の外側→額の順”に
化粧水を顔全体になじませたら、手のひらを頰の内側にあて、少し圧をかけるようにして5秒間キープ。
続いて、頰の外側へ手のひらを移動。ここも同様に手のひらで圧をかけます。頰の内側→外側の順でつけると巡りがよくって浸透しやすくなったり、むくみ対策にもなります。
頰の次は額へ、何回かに分けて額全体をプッシングします。そのあと、鼻やあごも。小鼻の脇は指先を使って凹凸にもまんべんなくプッシング。
手に残ったもので首もケアします。顔をしっかり保湿しても、首が乾いてると潤いが吸いとられていきます。首まで潤いを与えましょう。最後に、顔全体をもう一度プッシングして“浸透のサインの音”を確認してから美容液、乳液やクリームも同様につけていきます。
※ご紹介した商品の価格はすべて、総額(税込)価格です。
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