ブレストとは、集団的思考を指す
最近見聞きすることが増えた「ブレスト」。何となくイメージはできても、意味や使い方などは知らない人も多いかもしれません。ブレストはビジネスでも導入され始めていますので、意味や進め方、ポイントを押さえておきたいところ。
まずは、ブレストの意味からチェックしていきましょう。
ブレストの意味を辞書でチェック
ブレストを調べたところ、次の意味があることがわかりました。
▷ブレーンストーミング【brainstorming】
米国で開発された集団的思考の技術。自由な雰囲気で、他を批判せずにアイデアを出し合い、最終的に一定の課題によりよい解決を得ようとする方法。ブレスト。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
上記から、ブレストは「アイデアを生み出す手法」であること、複数の人で行われることがわかりますね。アイデアとは、「新しい工夫や着想」や「思いつき」を指しますが、「既存のもの同士を組み合わせて生まれる発想」も、アイデアだとされています。
ブレストで期待できること
ブレストを行うと、次のような効果を得られる可能性があります。
チームの活性化
参加者が同じベクトルで意見やアイデアを出し合うことから、参加者間の距離を縮まり、それがチームの活性につながります。ブレストは、自由な雰囲気の中で行うのが前提。そのため、コミュニケーションもフランクになるでしょう。また、ブレストを通し、参加者の交流が活発になる、情報共有がスムーズになるといったことも期待できます。
個人の発想力を鍛えられる
ブレストはアイデアを出し合うことがメインとなるため、参加者個人の発想力を鍛えてくれます。アイデアは、他者の視点を入れて磨くことでクリエイトできるもの。ブレストにより、新規性だけでなく独自性のあるアイデアに変化させることができるかもしれません。
ブレストの進め方
ここからはブレストの進め方を見ていきましょう。自由に意見を出し合うブレストですが、進め方には一定の手順や基準があります。これがないと、アイデアをまとめるのが難しくなりますので、押さえておきましょう。
【ステップ1】役割を決める
ブレストをスムーズに進めるため、参加者の役割を決めましょう。進行を担うファシリテーター、書記を担うセクレタリーは必ず選出します。それぞれの役割は以下の通りです。
▷ファシリテーター
・参加者が忌憚なく意見を言える環境づくり
・裏方として、ブレストをスムーズに進行させる
・アイデアが進化するよう、適宜コントロールする
・発言をためらいがちな参加者を促す
・肯定的な内容であることが望ましいため、批判的な意見が出ないように促す
・ブレストの方向性にズレが生じていないかを確認し、適宜修正を行う
▷セクレタリー
・出たアイデアをすべて書き出す
・参加者がいつでも見られるよう、黒板やホワイトボードを使う
・場合によっては、ファシリテーターや参加者のサポートをする
【ステップ2】ゴールを明確にする
ブレストは「ゴール」の設定が非常に重要です。なぜブレストをするのか、参加者にしっかりと共有し、理解を進めておきましょう。ゴールがあいまいだと、ブレストは行き詰ってしまいます。また、参加者の解釈違いも防がなければなりません。ゴールは、具体的で明確であることが大切。参加者が何に対して考えるべきが、明確にわかるようにしてください。
【ステップ3】アイデア出しをする
ブレストのメインとなるのが、参加者によるアイデア出しです。ブレストは、正しい結論にたどり着くのが目的ではなく、たくさんのアイデアを出し合うのが目的。この点を誤解することがないよう、ファシリテーターは注意を払うようにします。
【ステップ4】アイデアを分類する
アイデアは、出し切るまで行うのが理想的ですが、時間の制限があると難しいことも。その場合は、出たアイデアを分類し、改めてブレストを行うといいでしょう。分類が終わったら、出たアイデアがゴールやテーマに沿ったものであるかをチェックし、ふさわしいアイデアのみを残していきます。
ブレストを上手く行うポイントは?
ブレストを行うポイントを見ていきましょう。ポイントを押さえることで、ブレストを円滑に進めることができるはずです。
重視するのは、アイデアの量
ブレストで重視するのは、アイデアの質ではなく、量です。既存の情報や概念に縛られず、ゼロベースで自由にアイデアを出すことが目的ですから、その点を意識しておくといいですね。アイデアを出すとなると、再現性を求めがちですが、ブレストにおいては不要。思いついたものをどんどん発信しましょう。
リラックスして話せる雰囲気を作る
自由に発信するためには、そのような場づくりが欠かせません。ファシリテーターを中心に、リラックスして話せるような雰囲気づくりをしてください。
とはいえ、最初は誰でも緊張し、身構えてしまいますよね。そんなときに有効なのが、自己紹介やアイスブレイク。上手に取り入れると、参加者の緊張をほぐすことができるでしょう。
参加は少人数を推奨
ブレストは、参加者全員が自由に発信できるのが理想。そのため、少人数での実施が理想的です。参加者の属性は、ばらつきがある方がよいかもしれません。年代や役職、年数などが異なる人材を集めることで、多角的なアイデアが生まれるでしょう。
ブレストで注意したいこと
ブレストの注意点についてもチェックしておきましょう。
批判や非難はNG
繰り返しになりますが、ブレストは自由にアイデアや意見を出す場。それを実現するには、否定的な雰囲気にならないことが重要です。そのため、批判や非難はもちろん、アイデアの欠点を指摘する、結論を出すよう強制するのは絶対に避けなければなりません。
雰囲気は、一度壊れてしまうと修復が難しいことも。この点については、参加者全員でしっかりと共有しておきましょう。
先入観や固定概念は不要と心得る
アイデアを出すことや、発信することの阻害要因となってしまうのが、先入観や固定概念。ブレストで出すアイデアは、再現性を求めません。先入観や固定概念は捨て、頭をやわらかくして、ブレストを楽しんでください。
最後に
アメリカから来たブレストは、少人数でチームを組み、アイデアの出し合いをするものです。ブレストは、結論ではなくアイデアをたくさん出すことが目的。先入観や固定概念を手放し、自由にブレストを進めましょう。
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