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2024.06.27

「オールラウンダー」とは?意味と強み・弱み、育成方法も紹介

「オールラウンダー」は、ビジネスシーンでよく耳にする言葉の一つでしょう。有能で器用な人というイメージを抱きがちですが、実際の意味は何なのでしょうか。オールラウンダーの特徴や強みと併せて、自社で育成するときのポイントも紹介します。

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「オールラウンダー」とは?意味と類義語

「オールラウンダー」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。オールラウンダーの本来の意味と、混同しがちな類義語も併せて紹介します。

ラップトップで作業し、事務処理をし、データを分析し、財務報告書を作成するマルチタスクの人のイラスト

業務を幅広くこなせる人のこと

オールラウンダーは、英語の「all-rounder」をそのままカタカナ語にした言葉です。「万能な人」「多領域に有能な人」といった意味を持ち、さまざまな分野で使われます。

ビジネスシーンやスポーツ業界でいえば「複数の業務やポジションができる」「どれでも平均以上の結果を出せる」といった人です。「勉強とスポーツも得意」「いろいろな趣味を持っていて、どれもプロレベル」など、オールラウンダーと呼べる人は一定数存在するといえるでしょう。

オール‐ラウンダー(all-rounder)
多領域に有能な人。万能選手。オールラウンドプレーヤー。
引用:小学館 デジタル大辞泉

「オールラウンダー」に似ている言葉

オールラウンダーに似た意味を持つ言葉は「オールマイティ」「ゼネラリスト」「器用貧乏」などが挙げられます。それぞれの意味を解説します。

オールマイティは「万能である」という意味です。基本的には、オールラウンダーと同じような使い方をします。ただしオールマイティは、システム・ツール・手法など、人間以外にも使われることがあります。

ゼネラリストは、幅の広い知識・スキルを持っている人のことです。多くの場合、一つの分野に精通したスペシャリストと対比して使われる傾向にあります。

器用貧乏という言葉もありますが、あまりいい意味合いでは使われません。器用貧乏とは、オールラウンダーのように何でもそつなくこなせても、目立った結果を出せていない人や、得意といえるもののない人を指す言葉です。

「オールラウンダー」の特徴と強み

オールラウンダーは、さまざまな分野で重宝される傾向がみられます。特にビジネスシーンで求められる理由や、オールラウンダーの特徴と強みを紹介します。

スケジュール

(c) Adobe Stock

柔軟に対応できる能力がある

オールラウンダーとされる人の特徴の一つは、頭の回転が速く、環境や状況の変化に素早く対応できることです。それまでのやり方にこだわりすぎず、受け入れる柔軟性を持っているといえます。トラブルが起こったときも、豊富な経験に基づき冷静で的確な対処が可能です。

仕事のポイントを押さえるのがうまいため、飲み込みが早いと評価されることも珍しくないでしょう。

また、複数の業務経験から得たさまざまな分野の知識やノウハウを持っている人が多いです。仕事をスムーズに進めるために、それらの知識・経験を惜しみなく周囲と共有できる合理性や、人に与える精神も強みの一つといえます。

コミュニケーション能力に優れている

オールラウンダーは、周囲の力を借りて結果につなげるのが得意ともいえます。コミュニケーション能力が優れている人が多い傾向にあるので、新しい環境でもよい関係を築きやすいのです。

人に頼るのも上手といえます。分からないことをそのままにして仕事を滞らせたり、勝手に進めて失敗したりするようなこともほとんどないでしょう。上司や同僚に理解できるまで確認する熱心さも持ち合わせているため、成長も早い傾向にあります。

一緒に仕事をするにあたって、コミュニケーション能力の高いオールラウンダーは心強い存在になるといえます。

好奇心旺盛でチャレンジ精神がある

オールラウンダーと呼ばれる人は、おおむね好奇心旺盛な人が多いです。多方面分野にアンテナを張っており、興味を引かれたことにはすぐにアクセスします。

そのため、新しいものを受け入れるのに抵抗がない人が多いといえます。何事にも積極的にチャレンジできるだけでなく、これまで得た知識や技術と掛け合わせて、新たなアプローチを生み出すのも得意です。

こうしたオールラウンダーの特徴は、周囲の人にとってよい刺激となり得ます。新しいやり方に挑戦したり、受け入れたりしやすい雰囲気ができるため、チームのモチベーションを高めることにも役立つはずです。

「オールラウンダー」の特徴と弱み

何でもそつなくこなすオールラウンダーに憧れる人も珍しくありません。しかしオールラウンダーにも、強みばかりではなく、弱みとなる一面も。考えられるポイントを見ていきます。

PCを抱え、スマフォで会話をしながら走る女性

(c) Adobe Stock

目立つ武器や専門性がない場合がある

一概には言えませんが、何でもできるということは「専門性がない」ともいうケースも。特定の分野で深い知識や豊富な経験を持つスペシャリストと異なる点の一つでしょう。

ビジネスシーンでは、多くの分野で平均以上の成果を出せば、評価・重宝される傾向にあります。しかし「これもできます」「あれも得意です」とできることを羅列するだけでは、器用貧乏だと受け取られてしまう可能性も。

オールラウンダーを目指すにしても、何か一つ得意な分野を持っておくとさらなる強みとなるかもしれません。

仕事が集中してしまう

オールラウンダーは何でも一通りこなせる分、周囲からあてにされやすいものです。「頼りになる」「あの人ならできるだろう」と信頼され、さまざまな仕事が集中してしまうケースもあります。

誰でも周囲から期待されれば、応えたくなりますよね。しかし何でも引き受けてしまうと、気づかないうちに心身のキャパシティを超えてしまったということにもなりかねません。

周囲からオールラウンダーといわれる人ほど「自分ならできる」と過信しすぎず、自分の限界を把握しておく必要があるのです。

「オールラウンダー」の育成ポイント

何事においても平均以上の成果を出せるオールラウンダーは貴重な存在です。企業にとっては、確保しておきたい人材といえるでしょう。自社でオールラウンダーとして活躍してもらうため、部下を育成するときのポイントを紹介します。

チーム内で褒め合うひとたち イラスト

(c) Adobe Stock

組織内のバランスを考える

一人何役もこなせるオールラウンダーがいれば、企業側は人員が少なく済む、人件費が抑えられると考えがちです。しかし、組織内のバランスが偏りすぎると、かえって運営がうまくいかない可能性があります。

社員がスペシャリストばかりだと、仕事がスムーズに進まない恐れがあるのと同様に、オールラウンダーばかりでも、全ての業務が「広く浅く」となりかねません。一つ一つの業務を深く理解していないと、トラブルが起きたときの対応に困る場合があります。

オールラウンダーやスペシャリストは、バランスよく配置することが大切なのです。

キャリアプランを考慮するのも大切

新入社員をオールラウンダーとして育成する場合は、本人のキャリアプランを考慮する必要があります。さまざまな分野の業務に携わり、幅広い知識や技術を得られる一方で、専門性が身につきにくい傾向も否定できないためです。

一般的にオールラウンダーの条件は、さまざまな分野の業務を平均以上にこなせることです。どの業務でも一定以上の知識を学び、経験を積まなくてはなりません。まず、一つの業務をしっかりできるようになってから次の業務へと進むようにすることが重要です。

オールラウンダー候補の本人が、ポジティブな気持ちで業務に取り組めるよう、専門的な知識も学んでもらいながら育成することが大切といえるでしょう。

じっくりと時間をかける

オールラウンダーは、一朝一夕に育成できるものではありません。短期間で知識や業務のスキルを身につけたり、早く一人前になってもらおうと負荷をかけすぎたりするのは、本人にとって大きなプレッシャーになり得ます。

ストレスで負担をかけすぎないよう、育成には時間をかける必要があります。業務量の調節や、心身のケアも育成担当者の重要な役目です。

また、成長のスピードは誰でも同じというわけではありません。育成する側は相手のペースを見極め、それぞれに適した育成プランを立てることが重要です。

メイン・アイキャッチ画像:(c) Adobe Stock

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