単品の食事
例えばパスタだけ、などの単品メニュー。こういった糖質中心の単品メニューはあまりおすすめしない、と小島さんは言います。
「麺類をはじめとした糖質中心の単品メニューだと早食いになってしまったり、午後眠くなりやすかったりするので気をつけて。パスタ単品のメニューはおすすめできないけれど、選ぶならほぼパスタだけのペペロンチーノより、多くの食材を使っているミートソースを」(小島さん)
ダイエットは「時間」と「食事の内容」が大切
朝は起床1時間以内に、糖質やタンパク質を
朝は朝食を食べない、という人も多いかもしれませんが、小島さん曰く「朝は体内時計を1日のスタートに合わせてリセットする大切な時間」。朝食を食べることで体内時計が動き出すのだそう。
「起床後、できるだけ早く朝食を食べることが大切。必ずとりたいのは血糖値を上げる糖質と体温や代謝をアップさせるたんぱく質。丸一日代謝がよく、お腹もひっこみやすい体に。」(小島さん)
また、シリアルは栄養価が高く手軽でダイエット向き、と思う人も多いかもしれませんが、小島さんが言うには牛乳をかけても栄養が足りないのだそう。
「シリアルは牛乳をかけても糖質もたんぱく質も足りません。また、砂糖たっぷりのものも多く、急激に血糖値を上げ、脂肪がつきやすかったり食後に眠くなることも。食べるときは原材料と栄養表示を確認し、砂糖無添加で脂質が少ないものにフルーツを加えましょう」(小島さん)
さらに、スムージーだけ、ヨーグルトだけ、サプリだけ、とういうような朝食もおすすめしないと言います。
「きちんと食事をとったうえでスムージーを飲むのならよいのですが、スムージーだけでは栄養素もエネルギーも足りません。さらに、冷たいスムージーは体を冷やしてしまうため代謝もダウン。その結果、便秘になりお腹ポッコリ、という人も多い。スムージーを飲む場合、常温のフルーツを使い、しょうがなどを入れるとなお◎。
朝はヨーグルトだけ、という女性もいますが、乳酸菌やカルシウムは普段の食事のベースがあってこそ働くもの。ヨーグルトだけでは完全とはいえません。また、乳製品は思いのほか脂肪分が多く高カロリー。悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸も多いので、低脂肪や無脂肪を選んで。」(小島さん)
「サプリはそもそも、体に大きく影響を与えるほどの栄養素を含んでいないので、サプリだけで補おうとするのはムリ。また、そもそも普段の食事で、たんぱく質、脂質、炭水化物といった重要な栄養素がとれていない人がサプリをとっても、きちんと活用されません。チアシードやキヌアなどのスーパーフードも同様です」(小島さん)
昼は栄養価の高いものをしっかり食べる
小島さんによれば昼は一番エネルギーを消費したり、必要な栄養素が吸収されやすい時間帯なので、できるだけ多くの種類の食材を使ったバランスのいいメニューを食べた方がいいと言います。
「昼は食べたいものを食べる絶好のチャンスです。揚げ物や脂の多いお肉を食べても太りにくいので、好きなものをしっかり楽しみましょう。ただ、コンビニのお弁当は食材の数が少なくなりがち。できるだけ多くの種類が使われている幕の内弁当などを選ぶようにして」(小島さん)
ダイエット中だからと、チキンがのったサラダだけ… というような野菜中心の食事は避けた方がいいそう。
「糖質は体に貯えられる量に限りがあるため、食事のたびに補給が必要。野菜中心の食生活をすると確かに一時的に体重は落ちるかもしれませんが、筋肉が減ってお腹に脂肪がたまりやすく、ボディラインもたるんで老けた印象になってしまいます。リバウンドしやすく、増えたぶんの体重は脂肪になって返ってくるという残念な結果に…」(小島さん)
夜は20時までに食物繊維豊富なメニューを
小島さんによれば、夜は体内時計が休息モードになり、脂肪をため込みやすい時間なので、できるだけ早く夕食を食べた方がいいのだとか。積極的に食べたい食品は、血糖値を急激に上げず、脂肪がつきにくいもの。主菜は肉より魚や大豆製品を、食物繊維もしっかり摂るのが良いそうです。
もしも夕食が遅くなっても「食べない」という選択は絶対にダメだそう。
「どんなに遅くなっても食事を抜くのは絶対にNG。遅くなることがわかっている日は昼食に揚げ物などエネルギーの多いメニューを食べるか、夕方におにぎりを食べるなどの対策を。家に帰ってから、魚や豆腐など低脂肪のたんぱく質と野菜のおかずを食べるようにすると、体型をキープしつつ、必要な栄養素はしっかりとれます」(小島さん)
また炭水化物を抜くのも、代謝を落とす原因になるので避けた方がいいのだとか。
「翌朝までにエネルギー不足に陥り、代謝が落ちて脂肪が増える原因に。糖質は単独でとるとお腹ポッコリにつながります。ただ、食物繊維と一緒にとると血糖値の上昇がゆるやかになり朝までの間に少しずつエネルギーとして使われます。その結果、脂肪にも変わりにくい。夜の炭水化物は食物繊維の多い麦ごはんや雑穀入りのごはんを」(小島さん)
おすすめは時短にもなる「お刺身」。調理の油も必要ないので、ダイエット中の夕食に最適だそうです。
「肉の脂は代謝を悪くしますが、魚の脂はむしろ代謝をアップしてくれます。そのまま食べられるお刺身は調理の油も必要なくてイチ推し。ただ、調理にバターやチーズを使ってしまうと高脂肪に。野菜と一緒に煮るだけで一品完成する魚の缶詰も時短に便利です」(小島さん)
食べても太りにくい体を作る方法
大妻女子大学教授の青江誠一郎先生に聞きました!
食物繊維を朝食でたっぷり摂る
朝食では糖質やタンパク質を摂ることが大事だとお伝えしましたが、青江先生曰く、食物繊維も積極的に摂るべきだそう。
朝食に食物繊維を摂ることで、4〜5時間後の食事も血糖値の上昇が抑えられるのだそうです。
「みなさん、『セカンドミール効果』というものをご存じでしょうか? 食後の血糖値が高い状態が続くと、肥満や生活習慣病の原因になりますが、最初の食事(ファーストミール)で食物繊維を摂ると、腸内で短鎖脂肪酸がつくられ、その働きで4~5時間後の次の食事(セカンドミール)でも血糖値の上昇を抑えることが明らかになっています。朝食で食物繊維を積極的に摂り、食後の血糖値を持続的に安定させるセカンドミール効果を得ることは、健康維持やダイエットのために欠かせません」(青江先生)
主食を大麦や全粒穀物に置き換える
いつもの白米を大麦(押麦、もち麦)や全粒穀物に置き換えるだけで、ダイエット効果が見込めるよう。
「大麦やオーツ麦などの全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれており、内臓脂肪減少やコルステロール抑制などのメタボ改善効果が得られることがわかっています。普段ご飯を主食にしている方は、ご飯に大麦を混ぜ込んだり、雑穀と一緒に炊き込んだりすると良いでしょう。パン・シリアル派の方は、全粒粉パンやライ麦パン、オートミールや小麦ブランに置き換えるのがおすすめです」(青江先生)
朝昼晩3食で食物繊維を摂る
食事は抜かないほうがいいと言われますが、その理由が「食物繊維は一度に多くの量を摂取できない」こと、そして「食事の時間が開きすぎるとインスリン分泌が起こる」ことだそう。
「やせようとして1食減らすのはかえって逆効果です。食物繊維は一度に沢山摂取できないため、3食摂ることが大事。また、1食抜くことで食事の間隔を開けすぎると、食後に急激なインスリンの分泌が起こり、かえって太りやすくなります」(青江先生)
さまざまな食材を摂取する
発酵性食物繊維をさまざまな食材から摂取することで、腸内発酵が促され太りにくい体質が作れるのだそう。
「腸内発酵により産生する短鎖脂肪酸は、脂肪を燃素させる働きがあります。腸内発酵を促進するために主食(大麦、全粒小麦、オート麦)、主菜(豆類、いも類)、副菜(海藻類、根菜類)などから発酵性食物繊維を摂取して、太りにくい体質にしましょう」(青江先生)
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