どんなに遅くなっても夕食は食べて
どんなに帰りが遅くなっても食事を抜くことは避けて。遅くなるのがわかっている日は、昼食にエネルギーの多いメニューを食べたり、夕方におにぎりを食べたりするなどの対策を。帰宅後は、魚や豆腐などの低脂肪タンパク質と、野菜のおかずを食べるようにすれば、必要な栄養素をしっかりととりつつ、体型もキープできます。
カロリーだけを意識しないで
カロリーコントロールは必須なのですが、カロリーだけを意識するのはおすすめしません。
例えば、お菓子は食べたいけどカロリーは摂りたくないからと、人工甘味料を使った製品に手を出してしまう人も多いですが、カイロプラクター 姿勢教育指導士の碓田紗由里さんによれば、この行動は甘味依存症に陥りやすいと言います。
「ダイエットしはじめの人がやりがちなのが、摂取カロリーを減らそうと、人工甘味料を使った製品に手を出すこと。パッと見の摂取カロリーは減りますが、体には決してよくありません。人工甘味料は腎臓に過度な負担がかかり、副作用としては頭痛やめまい、むくみなどが生じる場合も。」(碓田さん)
さらに碓田さんは続けます。
「人工甘味料は味覚を狂わせ、さらに依存性が高いといわれています。例えば、アステルパームは普通の砂糖と比較すると、100〜200倍もの甘さを感じるといいます。これを摂り続けると、『もっと甘いものが欲しい』という状態になり、コーヒーに砂糖を1袋だったものが、2袋、3袋… と徐々に増えていき、甘いもので頭がいっぱい… という状況になるケースも。」(碓田さん)
「実は学生時代、私も似たような経験をしたことがあります。甘いものなしでは生活ができない、おなかいっぱいになっても甘いものを食べてしまう、といった『甘味依存症』になり、結果太ってしまうという状況になりかねないので、注意しましょう。健康食品と認識されがちなドライフルーツにも注意。ドライフルーツは高カロリーで砂糖を食べているようなものなので、こちらも避けましょう」(碓田さん)
カロリーを気にして選んだ人工甘味料のせいで、結果的に「甘いものがやめられない」という状況に陥らされる可能性があるのですね… 。
ダイエットではカロリーばかりを気にするのではなく、必要な栄養素をバランスよく摂ることを心がけることで、健康的に痩せることができそうですね。
「痩せない」を脱却する正しいダイエット方法とは
まずは自分に必要なカロリーを把握する
まずは自分に必要な摂取カロリーと消費カロリーを把握することが大切。
1日に必要なカロリーは、デスクワーかーや主婦などの活動量が少ない30代女性なら、1750kcalほど。40代なら1700kcalと、年代が上がるにつれて低くなっていきます。
また、体重・身長によっても必要なカロリーは異なり、正確な摂取可能カロリーは「身長(m)×身長(m)×22」に25~30をかけて計算することが可能です。
食事はこの7ヶ条を試してみて
[1]和食(お米や野菜、魚など日本人が昔から食べてきたもの)を見直す
[2](プライス的に)高いものを食べる
[3]添加物を控える
[4]脂質を抑える
[5]野菜の量を増やす
[6]よく噛む
[7]食べる順番を考える
例えばイタリアンを食べるときは、パスタよりもリゾットをチョイス。米を選んでいる観点から[1]を実行したと言えます。
また、人間は口に入れるものの大きさが変わっても、噛む回数は変わりません。それならば一口の大きさを今よりも小さくするだけでも効果的。一回の食事に対しての咀嚼数が確実に増えます。
タンパク質をしっかり&正しく摂る
ダイエットにも健康にも大切なタンパク質。ダイエットの成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。このタンパク質の摂り方、実はちゃんとできている人が少ないと言われています。
管理栄養士の細野恵美さんに効率的なタンパク質の摂取方法を教えていただきました。
ポイント1. タンパク質摂取は〝Wタンパク〟が基本
「タンパク質と言うと肉や魚を思い浮かべ、動物性タンパク質に偏って摂っている方が多いようです。しかし、動物性ばかりではなく植物性のタンパク質もバランスよく摂る必要があります。「植物性タンパク質の代表ともいえる大豆タンパク質は、女性の健康・美容に働きかける大豆イソフラボン、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富。吸収速度がゆっくりで腹もちがよく、脂肪燃焼しやすいのでダイエットにも効果的。一方、動物性タンパク質は、筋肉づくりにかかせない必須アミノ酸を多く含んでいます。それぞれにメリットのある植物性・動物性たんぱく質を同時に摂取することで、相乗効果が期待できます」(細野恵美さん 以下同)
ポイント2. タンパク質は3食コンスタントに摂る
「『朝、昼は軽く、夕食でがっつりタンパク質を摂っている』という方は間違い! 夕食に偏ってタンパク質を摂るよりも、朝食・昼食・夕食や間食などを含めて、均等にタンパク質を摂る方が、効率的に筋肉を合成できるということが分かっています。ですから、 1日の総量で調節するのではなく1食20gを目ざしコンスタントに摂るようにしましょう。特に朝はタンパク質が不足しがちなので、手軽に食べられるタンパク質食品をそろえておくといいかもしれません」
ポイント3. タンパク質とビタミンB6をセットで摂る
「タンパク質が重要だとしても、他の食品の摂取も忘れないことが大切です。タンパク質は体づくりにおいて重要ですが、そればかりではいけません。特にビタミンB6はタンパク質の代謝に関わる重要なビタミン。タンパク質を摂るときはセットで摂ることをおすすめします。また、ビタミンB6はエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンのバランスを整える働きもあります。40代女性としてホルモンバランスを整えるためにもB6は不足しないようにして欲しいと言うことです。B6が豊富な食材は、玄米や、アボカド、赤パプリカ、バナナなど。タンパク質のおかずと、玄米ごはんやアボカドサラダなどを組み合わせて食べることが大切です」
朝食は必ず食べる
起床後はなるべく早く朝食を食べることで、体内時計をリセットすることができます。必ずとりたいのは、血糖値を上げる糖質と体温や代謝をアップさせるタンパク質。卵とごはんの組み合わせが◎。
夜は低脂肪高タンパク質な食事を心がけて
お肌や筋肉のために、タンパク質をしっかりととることは必要ですが、夜に高脂肪のステーキやハンバーグ、生姜焼きなどを食べるのは控えて。お肉を食べるなら脂肪に変わりにくい豚ヒレ肉や牛モモ肉、鶏ムネ肉などをチョイスするのが正解。
肉の脂は代謝を悪くしてしまいますが、魚の脂はむしろ代謝を上げてくれます。そのまま食べられるお刺身なら、調理の油も必要なくなお◎。魚の缶詰も、野菜と一緒に煮るだけで完成するので、時短にも栄養にも最適です。
日々の生活に運動を取り入れる
例えば、週に1回1時間のヨガに通うよりも、毎日1駅分歩く、毎朝1分間ジャンプする、なるべく階段を使う、などの運動を取り入れる方が効果的。まったく運動しないよりはした方がもちろんいいですが、少しずつでも頻繁に運動した方が、燃焼しやすい体になるので効果的です。
腸内環境を整える
例えば、ヨーグルトは善玉菌の栄養になるビフィズス菌や乳酸菌が豊富に含まれているので、腸内環境の働きを正常に戻してくれる効果が期待できます。
ダイエットに大敵な便秘や下痢を改善し、さらには肌荒れの解消にも有効。
まず腸内環境を整えて体の中からキレイにすることが、ダイエットにも効果的といえます。
姿勢を正す
いい姿勢をすると体の筋肉のつき方が変わり、代謝がアップします。
おへそを背中に近づけてグッと引っ込める(=IN)
引っ込めたおへそをクッと上に持ち上げる(=UP)
これだけでも腹筋をしっかりと使えている感覚があり、代謝も40%ほどアップすると言われています。正しい姿勢で立つこと、正しい姿勢で歩くことで代謝が上がり、日々の消費カロリーも変わってくるのです。
継続できないダイエット方法には手を出さない
いきなり何も口にしないファスティングにチャレンジしたり、極端な食事制限をしたりと、体にかかる負担やストレスが大きいダイエットは継続するのが困難です。
はじめはよくても後々反動で暴飲暴食をしてしまったり、体も危険を察知して逆に脂肪を蓄えようとしてしまう可能性も… 。
管理栄養士・健康運動指導士の小島美和子さん曰く、ファスティングで減るのは脂肪ではなく、主に水分と筋肉だそう。代謝も落ち逆に太りやすい体になって、リバウンドは確実だと言います。
たてた目標を振り返る習慣もつくって
ダイエットの目標をたてたら、必ず振り返る習慣をつけ、達成度を見える化することが大切だと言います。
立てた計画は達成できているか? 必ず振り返ることが大切です。自分の達成度を見える化することでさらに達成感も増して、やる気につながります。
おすすめは手帳を使って、まずは年・月・日ごとの目標計画をきちんとたてること。
(1)今年は1年で12kg痩せる! (1年の大きな目標)
(2)今月は2Kg減のために、運動を心がける! (1か月の目標を立てる)
(3)今週は500g減のために、たくさん歩く! (1週間目標を立てる)
(4)今日は隣の駅で電車を降りて、ひと駅分歩く! (今日の目標を立てる)
大きな目標を達成するために、少しずつ分解し毎日の目標を設定。また、目標計画は詰め込みすぎず、予備日を作っておくことで、無理のないスケジュールにでき、途中で挫折する可能性も減るそう。
間違ったダイエットのやり方や、知識を実践してしまうと、かえって痩せにくくなってしまうことも。 食べること以外でのストレス発散方法を見つけることも大事です。 理想の体型をイメージしながら、成功するダイエットを目指していきましょう。